『HOPE』俳優・新納慎也が演出家デビュー! 高橋惠子がミュージカル初主演!
ミュージカル『HOPE』は、著名作家の遺稿の所有権をめぐって長きにわたり実際にイスラエルで起こった裁判をモチーフに描いた法廷劇であり、韓国芸術総合学校の卒業制作として2017年に誕生しました。その完成度の高さから、2019年に初演されるや大きな話題を呼び、第4回韓国ミュージカルアワードにて大賞、脚本賞など数多くの賞を受賞するなど高い評価を得ました。更に、2020年に再演されるなど韓国での注目度の高さは増すばかりの『HOPE』が、初めて日本版として上演されることとなりました。
ミュージカル『HOPE』では、主人公ホープの過去と現在が交錯しながら、もう一人の主人公で原稿の擬人化である「K」(ヨーゼフ・クラインの頭文字/埃を被った原稿)、クラインの才能を守ろうとするベルト、そしてホープの母でありベルトの恋人マリー、過去のホープ、戦争を逃れてきた難民カデル、そして男性アンサンブル4名で、ホープの数奇な運命を辿ります。
ベストセラー作家が残した原稿。巡る運命の中で原稿を託された女性マリーとその娘HOPE
ずっと大切に抱えていたその原稿の本当の所有者とはだれなのか。
原稿を守ることで自分自身を貫いてきた彼女の人生とはー。
モノへの執着や、そのものの価値、贈り物の定義、所有権の有無といった、物が溢れているこの時代だからこそこの命題に取り組んだ本作。
この日本初演版を手掛けるのは、本作が演出家デビューであり、更に上演台本・訳詞にも取り組む新納慎也。実力派そして個性派俳優として、舞台・映像と幅広く活躍する新納にとって、念願の演出作品となります。
主人公のHOPEは、女優デビューから51年目にして初ミュージカル主演に挑む高橋惠子が務めます。共演には、永田崇人・小林亮太(K役/Wキャスト)、清水くるみ(過去のHOPE役)、白羽ゆり(マリー役)、中山昇、縄田晋、染谷洸太、木暮真一郎、そして上山竜治(カデル役)、大沢健(ベルト役)と、歌唱力も演技力も兼ね備えた個性豊かなキャストが顔を揃えました。
韓国発、日本版初演となるミュージカル『HOPE』にどうぞご期待ください。
登場人物
ホープ:イスラエル国立図書館と、ユダヤ人の作家ヨーゼフ・クラインの原稿をめぐって争っている年老いた狂った女。数奇な運
命の中で自分に残ったものは原稿しかないと思っている。
「K」:クラインの頭文字。ホープやホープの母親マリーが守ってきた原稿の擬人化で、誰よりもホープの幸せを願っている存在。
ベルト:ヨーゼフ・クラインの才能を守りたかった友人。ホープの母であるマリーと一時恋仲であった。
マリー:ベルトに託された原稿を守り、守り抜くことでまたベルトに会えると信じており、原稿を守り抜くことで戦禍を生き残れると
信じている。
カデル:パレスチナに逃げてきたユダヤ人で難民。過去のホープが惹かれる存在。
STORY
長きにわたったイスラエル図書館とエヴァ・ホープの最後の裁判が行われる日。年老いた<狂った女>ホープは初めて長年自分
が守ってきた原稿を裁判に持っていく。その原稿そのものが自分自身だ、と主張するホープに対して、裁判官や弁護士たちはそ
の原稿の所有権について説明をはじめる。
ベストセラー作家だったベルトは、何にも属さない絶望を描くユダヤ人のヨーゼフ・クラインの才能に憧れ、原稿を焼くように言い
残し死亡したヨーゼフの才能を守るために彼の原稿をそっと保管する。
第二次世界大戦で戦禍が激しくなる中、ベルトはマリーに、再び会える日まで持っていて欲しいとクラインの原稿を託す。マリー
は逃げ延びる真っただ中でもベルトとの約束を守る為に原稿に執着し生きるようになり、マリーの娘ホープは原稿しか目に入らな
い母を横目でみながら戦禍を生き抜こうとする。誰にも関心を持ってもらえずそれでももがいていた中で、カデルに出会い恋に落
ちるが、裏切られてしまう。
母を捨て長く彷徨い中年となったホープは再び母がいた場所へと戻り、再び自身の人生を苦しめてきた原稿を手にする。
ホープにとって原稿とは一体何だったのであろうかー。